ハラル(ハラール)認証とは?
「ハラル認証」とは、イスラム圏に食品などを輸出する際に、輸入国側から提出を求められる認証で、
その食品などが、イスラム教徒が「口にすることを許されたもの」であることの証明書です。
つまり、イスラム圏に食品などを輸出しようとする事業者は、輸出する前にその食品などがイスラム
教徒が口にしていいというお墨付きをもらわなければなりません。このお墨付きが「ハラル認証」で
す。
イスラム教徒にとって、ハラルであるかそうでないかの区別は非常に重要なものであり、極めて端的
に言えば、イスラム教徒に対してハラルでないものを提供するということは腐ったものを提供するぐらいのことを意味します。
トラブルの具体例としては、ハラル認証を取得してインドネシアに調味料を輸出していた味の素社
が、その調味料の製造過程においてブタ由来の酵素が使われていたことが同国政府によって指摘され、
商品の回収を命じられるという事件が2001年に起こりました。また、同社の数人の幹部が逮捕されると
いう刑事事件にまで発展しました。同社はその後、酵素を別のハラルである植物由来の酵素に替えて、
認証を再取得し、また同社内にハラル委員会を設置することにより、信頼の回復に努めたとのことで
す。このケースでは商品そのものではなく、製造の一過程において、ブタ由来の酵素を使用されていた
というだけでこれだけの大事件に発展しました。この例でもわかるように、ハラルに関する問題には政
府さえも介入するほどの重要な関心事であり、ハラルに対する認識の甘さが甚大な損害をもたらすこと
になります。
また、2009年には佐賀県が佐賀牛をUAEに輸出しようとして失敗しました。これは、①日本のイス
ラム団体が発行した認証がUAE政府に受け入れられなかった、②日本の法律に違反して食品を海外に
持ち出した、という2点が問題になりました。特に②についてはその後農林水産省から刑事告発される寸
前にまで発展し、県議会でも厳しい責任追及がなされました。このことで、佐賀牛と言うブランドが信
用を失ってしまい、その損失ははかり知れません。
ハラル認証は、本来イスラム教徒の便益のためのものであり、ビジネス利用を念頭に置いているもの
ではありません。しかし、世界経済のグローバル化、資本主義経済の全世界的普及によって、そのビジ
ネス利用は避けられない流れになっています。そのため、各国が国益のためにハラル認証の規格化に
よってイニシアティブを取ろうという動きが活発化しています。
いずれにしろ、ハラル認証は宗教的な意味合いが色濃いということを常に念頭に入れて、そのビジネ
ス利用においても、イスラム教に敬意を払い、節度のある利用をすることが肝要です。
レトルト食品に付けられたハラルマーク
ハラル認証のお問い合わせは「岡野総合法務事務所」まで。
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